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[orca-users:00378] Re: うえのさーん



上野@日医総研です。

医療保険医療費は1999年度末で30兆円を超えました。
この30兆円の元に、多くの産業があります。保険医薬品や
卸は言うに及ばず、レセコン業界などの、医療情報産業もこの
傘の下にあります。
 #国公立病院は補助金という裏技を使っていますが、、、

そして、この30兆のうち大部分は医療機関を通じて、流れます。
医療機関の作るレセプトと患者さんの自己負担が原資です。
つまり医療にまつわる産業のかなりの部分は医療機関の
経費で賄っているのです。
 #というわけで大蔵省から見れば、診療報酬の点数や改定が
  節約の重要なキーポイントになります。

医師は医療現場のヒエラルキーで頂点に立つだけでなく、
医療産業全体においても重要な社会的立場を担っています。
 #医療産業全体で働く人の数はど忘れした(^^;

単に自分たちのギルドの生活を改善する、という考えでは
今後どんなに日医の広報が頑張っても、ずっと「抵抗勢力」と
言われ続けるでしょう。
 
このギルドはプロとして「国民医療の改善」という責任からは
逃れられませんし、医療産業を育成する立場からも逃れられ
ません。

でも、医師だってメシは喰っていかなければならないし、
知的肉体的労働に見合った報酬も必要だ。
聖人君子じゃないぞ、ということで、ORCAプロジェクトでは
「医業ではなく医療に専念できる環境を!」
を目指しています。

とまあ、ゴタクはさておきます。
多くの先生方の意見は基本的に皆正しいと思います。
それぞれの立場や環境に基づいたご意見で納得させられます。
そこで長島先生からのご質問ですが、

>  日医総研の開発目的は、何でしょうか。
>  開発の優先順位はどうなっていますか。
>
>  既存のレセコン機能、安定性、安価という「レセプトソフトの基本条件」を満
> たすことは、他の機能(ネットワーク機能など)を満たすためなら、二の次にな
> ってもよいとお考えでしょうか。

そのようには考えていません。

> ・既存のメーカ製レセコンと同等(以上)の機能をもち、安定しており、より安
> 価であること
  
これが現時点で、一番大事な開発要素で第一優先順位です。
また、オープンソースとしたことで「結果としての妥当な価格」は
戦略として重要な要素であると考えています。
公定価格のようなお触れを出す予定は今のところありません。
事業所殿には、顧客満足度やシステムの完成度、付加価値、
そして価格などを要素としてビジネスを進めて頂きたいと考えて
います。

オープンソースの裏返しとして、メーカにはならない、つまり
日医がハードを供給しないということも決まっています。
そのほうが、進化も早いでしょう。
プリインストールマシンのお話も「餅屋」であるいくつかの企業から伺って
いますのであまり心配はしていません。
また伏見医師会様のような嬉しい動きもあります。
ちょっと触ってみたいという点に関しては、対策を考慮中です。

> 7)つまり、多くの日医会員の希望と、ORCAの開発コンセプトの間には、大きな
> 乖離があるということになります。
> 8)これは、プログラム作成の問題ではなくて、それ以前の問題、即ち、日医総
> 研の開発目的自体に問題があると、一連のやりとりでわかりました。

 #プロジェクトスタート時に世は既に不景気でしたが、小泉首相の登場や
  今回のマイナス改訂など、誰が予想できたでしょう。

少なくとも「日医で安いレセコンを供給する」のが主目的のプロジェクトでは
ありません。
日医からの安いレセコン(とハード)供給による「革命」は、社会の「バランス」を
崩すことの代償に、医師会員だけが利を得る方法です。
 #バランスを大事にしろ、と某会長に諫められたことがあります。

「価格」の重要性は充分理解しているつもりです。
日医の介護保険関係のソフトでは、「手軽で、安定して、安価」な要素を
満たしていると思います。なぜ、日レセを簡単に作らなかったかというと、
業務システムとして見た場合の規模と重要度が大きすぎる。扱う金額が
大きい。からです。そして、普及すれば皆保険のインフラを担う可能性を
持つ仕様であるべきだと考えたからです。


そして、伊東先生、、

> 「ニチイ学館」って日医総研と関係あるんですか(-.-)?。

あ、ありません(^^;
あ、それから28日はまたメール読めませんので、、

<Tomoaki Ueno>