[Date Prev][Date Next][Thread Prev][Thread Next][Date Index][Thread Index]

[orca-users:01851] Re: OS について



 皆様、こんにちは。
 安陪隆明@鳥取県鳥取市、安陪内科医院です。

 八木さん wrote:

>実際には、プラグラムする上で、MSからの注文や制限が
>多く、単に、利益面を考えたら、Linuxでやったほうが楽だから
>だと聞いたことがあります。
>
>ある営業マンの話ですから、どこまで事実か分かりませんが、
>薬局向けにはWindowsを使って開発したS社が、あえて、
>医家向けの新機種に、Linuxを選んだことを考えれば、
>それは、真実のような気がします。

 そんな話があるのですね(^^;) まあ充分ありそうなことですね(^^;)

 西田さん wrote:

>1. ORCA 導入・サポートの価格設定が高くても受け入れ、業者に
>   とって魅力ある市場とする。
>
>2. 資金・人材のリソースを開発に集中し、ORCA を Windows アプリ
>   のように誰でもインストール・メンテナンス出来るようにする。
>
>大勢の方は、恐らく 2 の選択肢に賛同されることだろうと思います。

>そのような収入モデルを作ってソフトウェアの完成度を高める
>努力をするのでなく、第三者の業者に頼ることを前提として
>システムを作ろうとする理由がわかりません。業者のいらない
>レセコンを作るのは不可能なのでしょうか?

「Windowsを使っての業者のいらないレセコン」ですが、確かに
一部のWindowsパワーユーザーの医師向けにそういったものを作る
ことはできるかと思います。(実際、それに近いものはすでに市販
されているように思えます)
 ただしそのシェアは、市場全体にほとんど影響を与えないレベル
のものになるでしょうし、今のレセコン業界の問題を何ら解決しな
いレベルに留まるでしょう。
 確かにLinux、特にDebianは、それを操作できる人が極めて少ない
マイナーな世界の代物です。しかし、よく考えれば、そこまでマイナー
でなくても、Windowsだって一般の人から見れば
「なるべく操作したくない。操作方法がよくわからない」
 という代物なのです。

 世の中、インターネットができることがあたりまえになってき
て、大半の人が「メールアドレスは『一応は』持っているよ」と
いう時代になってきました。じゃあ、大半の多くの一般の人が
喜んでどんどんWindows上のソフトを使っているかというとそん
なことはありません。というよりも、ほとんどの人が
「仕方なく、嫌々ながら」
パソコンを使っているのが現状です。

 このMLには、私のように、地域の医師会での情報化活動に携わっ
ておられる医師が少なくないと思いますが、多くの医師会員の実態
はいかがでしょうか?
 日医総研が作って販売している介護保険意見書作成ソフトの
「医見書」はどれくらい使われているでしょうか?
 地域医師会のML加入率はどれくらいでしょうか? そしてその中で
コンスタントに発言できる人は何人くらいでしょうか? また加入し
ていながら、今まで一度も発言したことがない人は何人くらいおら
れるでしょうか?
 今でこそ偏見の目で見られることは少なくなりましたが、当地の
医師会の情報ネットワーク委員会ができたときには、周囲から

「何故、おまえらのパソコンなんていうよくわからんような趣味に
我々一般の医師が付き合わないといけないのだ」

 という偏見、白眼視がありありでした(^^;)
 MLに入ってもらう、特に医師会の上の方の先生方に入ってもらう
というのが、まず難事業です。しかも入ってもらっても、ほとんど
ROMで発言されません。会合などでお会いした際には
「先生、書き込んでくださいよ」
「いや、メールは一応読むようにしているんだけどね。書き込み方が
よくわからないんだ」
 という会話がほとんどです。
 本当に技術的にわからないのか、それとも書き込む気がないのかは
わかりませんが、要するに積極的にやろうという気がないことだけは
確かです。
 日医総研が販売した介護保険意見書作成ソフト「医見書」にしても
私自身が講習会をさせていただきましたが、実際に提出される意見書
のうち、「医見書」を使ったものは100枚中3,4枚というところです。
 先日、老健もある病院の先生に「医見書を使ってくださいよ〜」と
お願いしたら
「そういえば買ってどこかにしまってあるみたいだけれど... 入力を
してしまえば後は楽だろうけれど...」
 という言い方で、いかにも最初の入力が面倒くさくてやりたくない
という雰囲気がありありでした。
 日医総研の「医見書」はとても良いソフトだと思います。そして
これはWindows版とMac版の2種類が揃えられています。それでもこん
なものです。

 医師がパソコンを持っている率は結構高いと思います。
「パワーポイントの使い方がよくわからないから教えて」
 とよく頼まれます。
 でも、大半の医師はパワーポイントが使えればそれ以上のソフトを
使いたいと思っていません。もう一歩進むと、Webブラウザとメールを
使い始めますが、それでもメールを積極的に使う人は少数です。
 そして日医総研の「医見書」を使ったものは100枚中3,4枚が現状です。

 つまり一言で言うと
「世の中の大半の医師は、絶対しないといけないという必要に迫られ
ない限り、パソコンなんか使いたくない」
 のです。
 そして医療機関にレセコンが置いてあるのは常識化していますが、
それでも医師の中で「レセコンを操作したことがある」なんていう
医師がいったいどれくらいいるでしょうか。私ですら、ORCAの話が
出るまで、それまでレセコンを叩いたことはありませんでした。
 それでも大半の医療機関でレセコンが常識化しているのは、
医者が医療事務については事務員任せにしているからです。そして
事務員の人はレセコンメーカーの人たちにいろいろと教えてもらい
ながら頑張っています。そこにはほとんど医者の出る幕はありません。

「コンピュータなんか自分で操作する必要はないよ。コンピュータが
叩ける職員に任せておけばいいんだよ。わはは」
 という先生は少なからずおられますし、それどころか今度はこっちが
「君はコンピュータなんか勉強している暇があったら、ちゃんと
医学を勉強したまえ!」
 と説教されます。まあ私がろくに医学を勉強せずにコンピュータば
かり叩いているのはそのとおりなので、こっちも反論できないのです
が(^^;) 

 結局、「Windowsを使っての業者のいらないレセコンソフト」を
無料で日医が配布しても、それを自分でやろうという医師など、
極めて限られることになるでしょう。
「Windowsを使っての業者のいらないレセコン」を作っても、それは
一部のWindowsパワーユーザーの医師が喜ぶだけであって、大半の
医療機関はそれを使おうとせず、レセコン市場全体やそれに絡んだ
医療界を改革するのには程遠い状態になるのが目に見えています。
 その状況を改善しようと思えば、結局、サポート業者は必須なの
です。例え「Windowsを使ってのレセコンソフト」を作って配布して
もです。

 Linuxはマイナーすぎると批判を受けますが、Windowsだって一般の
人から見れば充分難しい、扱いたくない代物です。
「目くそが鼻くそを笑う」というのは言い過ぎというか語弊があるで
しょうが、LinuxだろうがWindowsだろうが、多くの一般の医師にとっ
ては、なるべく操作したくない難しい代物であることには変わりがな
いのですよ。
 それだったら「オープン」を貫いた方が、メリットが大きいと思わ
れませんか?

 HASEGAWAさん、wrote:

>Subject: [orca-users:01819] 安部先生のホームページをよんで

>非常によくORCAのコンセプト、なぜwindowsにしなかったのか
>わかりました。ありがとうございました。

 お読みいただきありがとうございます。実は昨年7月に書いたもの
ですので、ちょっと記載が古くなっている部分があるのですが、
ひとまずそのままにしております。

>>概要解説:
>>>全国の医師、医療関係機関が誰でも無料で使え、改良できる公開ソフトウェア
>>>(オープンソース)方式でプログラムを配布します。
>>カラースライド6ページ目:
>>>組み込み作業(DIYか実費)
>>カラースライド8ページ目:
>>>(2)自院でORCAのレセコンを組み立て、自院でメンテナンスをする
>>Q&A集:
>>>医師ご自身がパソコンに詳しい場合は、独力で設置・運用していただく
>>ことも可能です。

>> そして、実際に誰でもソフトが入手可能な状態にあり、
>> インストール方法まで公開されています。
>> (既存のレセコンはブラックボックスですので手も足も出なませんが)
>> 医者はパソコンにも詳しい方が多いので、「これなら俺にも組めるかも」
>> と思う人が出て来るのは当然です。(・・・まあ、私もその口です。(^^;)
>
>  だから「可能」じゃないですか。「やるな」と書いてあるわけでもないし、
>その方法を隠してあるわけでもない。むしろちゃんと公開されている。
>
>  でも、「どんな技術レベルの人でも可能」とはどこにも書いてありません。
>医師でちゃんとインストールする人もいれば、業者でも四苦八苦しているとこ
>ろがある。
>
>  ミスリーディングがあるとするなら、「誰でも可能」の部分を、「どんな技
>術レベルの人でも可能」と解釈しちゃうことでしょう。

 ここなんですが、結局、
「医師ご自身がパソコンに詳しい場合は、独力で設置・運用していただく
ことも可能です」
 という表現について、誤解する方が悪いのか、誤解を招くような書き方を
した方が悪いのか、という水掛け論にしかならないと思います(^^;)
 そもそも「パソコンに詳しい」と言ったって、ピンからキリまであると
思いますし(^^;)
 まあ個人的には、やっぱりこの表現はちょっと誤解を招くかな、と思って
います。ここは、

「医師自身がプロ並にコンピュータに詳しい場合は、独力で設置・運用
していただくことも可能です」

 あたりが、一番無難かな、と感じています(^^;)
(「プロ並ってどういうレベルだ?」と突っ込まれそうですが(^^;) )

   安陪隆明
   〒680-0841
   鳥取県鳥取市吉方温泉3丁目811-2
   安陪内科医院
   Tel.0857-26-6675
   Fax.0857-21-3131
   abe_takaaki@xxxxxxxxxxxxxxxxx
   takaaki_abe@xxxxxxxxxxxxxxxxx
   http://www.abe.or.jp/
   http://www.yuragi.jp/playxslt/index.asp