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[orca-users:07567] Re: 改題: IT政策パッケージ2005



 三原先生、お返事をありがとうございました。
 安陪隆明@鳥取県鳥取市、安陪内科医院です。

>いずれは、そうなるのかも知れませんが、レセ電処理はとりあえず
>は、紙運用による無駄を排除し、事務作業の効率化には、貢献でき
>るのではと思います。

 はい、それは良いのですが…

>それとも、医師会や医療提供側と何の議論もなく、電子的審査がい
>きなり始まってしまう考えるべきなのでしょうか。

 現時点では、日医と支払い側の間に「電子的審査をしてはいけない」
という取り決めはありますが、日医と保険者の間にはそのような
取り決めはありません。
 ということは、保険者に電子的レセプトデータが渡った時点で、
それをどのようなソフトにかけてどのように解析しようが、それは
保険者側のまったく自由ということになります。
「この診療所には、全体と比較してこのような傾向がある」
 とかいったことも、ソフトウェアを組めば保険者側は簡単に解析
できますね。
 まあもちろんそれは時代の流れであり、だからこそ、日医総研が
解析データを得られるようなORCAネットワークが必要になってくる
(自己防衛が必要になってくる)わけですが、ORCAネットワークなど
まだまだ先の話なのに、こっちの方は、「2005年末までに開始」と
なっているのが問題なのです。

>私は、とにかく、レセ電算請求を普及させ、現在の紙請求による非
>効率さを軽減させることが、全国一律の審査基準の策定など保険審
>査制度の改革へつながり、現在の理不尽、不可解、複雑な制度の改
>善への原動力になることを期待していますが、甘い?

 いや、ある先生は
「もし電子的審査をされるくらいなら、レセプトをOCRを使っても
読み取られないように、アルバイトを雇って全部手書きでレセプトを
出す」
 と言っておられましたよ(^^;)
 つまりORCAの出力を、アルバイトを雇って手書きで写すのだそう
です(^^;) この場合、電子的審査による減点の増加と、アルバイト料と
どちらの値段が高いか、というのが判断基準になりますね。

 まあもちろんそんなことをされないように、話題になっている
ように、
「電子的にレセプトを出さなければ、それだけで減点だからね」
 という政策をとってくることも考えられますね(^^;)
 こうなると、電子的にレセプトを出さなければそれだけで減点。
 また電子的にレセプトを出せば電子的に一律に審査されて減点。
 つまりどっちに転んでも減点。というジレンマな未来が待ってい
る可能性もあるわけです(^^;)

 電子的にレセプトを出しても一律に減点されたくなければ、
レセプトのコメントを書きまくれば回避できるかもしれませんが、
ますます手間は増えますね。

 結局、効率的に皆の手間を減らし、かつ皆が公正に納得できる
電子的なレセプト審査をしようとすれば、オープンな電子的審査
アルゴリズムを、医師側の意見も十分反映させた上で作成して
公開し、各医療機関は事前に自らレセプトを電子的審査をした上で、
そこでひっかかるものについてだけコメントを書く…
 というような根本的な保険審査の制度改革をしないといけない
わけですが、そういう議論の前に、「2005年末までに開始」と
ここだけ突出すると、従来の紙を前提にした制度と、電子的に
新たにできることのギャップから混乱が起きてしまう。ここを
心配するわけです。

 先にも述べたように、私は闇雲に反対しているわけではありま
せん。レセプトの電子化による効率性の重要性は認識していますし
将来的にその方向に進むべきだと思っています。
 しかし、この問題は単に電子化して効率化しようというだけでは
済まず、従来の紙を前提とした制度そのものから変えていかなければ
混乱を招くと考えているのです。

(ITというのは、医師の首を絞めたい人が使えば、医師の首を絞める
道具としても使えます。ですから、まず、そういう使われ方をされ
ないような枠組み作りからすることが大事なのです)

(公立病院の7割以上は赤字なんですよ…と言っても、信じてくれる
人が少ないのが今の状況なのに…)

 私は保険者にレセプト電子データを渡すのなら、それとセットで
オープンな電子的審査アルゴリズムを、医師側の意見も十分反映させ
る形で作成、更改する仕組みを作るということが大前提だと考えて
います。
 そして、その条件なしに、このようなことが2005年末までに開始さ
れることを危惧します。

 新執行部は、ひとまず「レセコンとしのてORCA」に専念
とのことですが、こんな状況ではORCAネットワーク作りも急が
ないといけないかもしれませんね。

   〒680-0841
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   安陪内科医院
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   安陪隆明

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