[orca-users:00362] Re: 過剰な低価格誘導への警鐘

[YAGI Takahide <thyagi@xxxxxxxxxxxxxxx>]

八木＠大阪です。

On Sat, 27 Apr 2002 18:55:09 +0900
"廣瀬一海" <kazumi@xxxxxxxxx> 様からのメールに:

> 単に低価格で普及させるだけなら、私たちは３月初旬には簡易インストール用のＣＤを作ってます。
>　このＣＤ１枚でDebian,ORCAのインストールから日本語環境に必要な設定はされ
>　ている状態で１台あたり２０分で構築できます。
> 弊社ではそれを頒布、販売する予定はありません・・なぜでしょうか？

僕も、ATOKを外すことは、絶対にしたくなかったのですが、
やはり、違法コピーはしたくないので、Cannaで設定しなおし、
インストール用CDを作成しました。
現在、Debianの動く機種であれば、ORCAのインストールから、
プリンターの設定までしても、３０分で可能だと思います。

ORCAの機能が進化中であり、今すぐ、大阪の会員にバラ撒くつもりは
ないですが、興味ある人があれば、また、一緒にORCAを応援しようと
方があれば、いつでもインストールの手伝いができる準備はできいます。
試用用の安いマシン(これは安いですが、Xを動かすのに少し難があります)
も選定してあります。

> この様子だと私たちも撤退を考えた方がいいようですね。

そんなことは絶対にないです。
僕たち医者のIT技術など(一部の方を除いて)、所詮、
趣味の範囲を出ません。
しかし、医療関係については、プロです。

IT技術のプロのベンダーの方と医療のプロの医者との
協力関係もしくは信頼関係がなければ、このプロジェクト
は、必ず失敗します。

以前にも、どこかのMLで紹介した、「なぜLinuxなのか？」
という本の第１０章「愛」に、この文章があります。

---------------（以下引用）-------------------------------
　フリーソースの世界はあまりに芸術的で気まぐれなので、銀行、
薬局、航空会社などの仕事を支援する優秀で堅牢なソフトウェアを
作成するタスクには向いていない、とよく言われている。こうした
タスクはとてつもなく退屈で時間がかかり、なおかつ困難である。
実際に行う処理は数値の加算やデータの照合程度であっても、タスクを
正確に実行しなければ飛行機が墜落することにもなりかねない。
フリーソースの世界が、愛と創造力を頼りに、これらの作業を
プログラマにさせることは不可能だ。唯一のソリューションはお金
だろう。
----------------（以上引用）-------------------------------

もし、このORCA構想が、”単に安いレセコンの作成だけ”の
ものだったら、「愛」も”へったくれ”もないですよね。
しかし、このORCA構想は”医者が納得のできる安いレセコン”
を作る構想だと僕は理解しています。

実際、少なくとも僕は、今のレセコンより金額が高くても、自分が
納得のできるものであれば、安いと感じる余裕はあります。
ただ、実用できないものは、もしくは納得のできないものに、１円の
お金も出すつもりはありません。

医者の「愛」、プログラマやベンダーの「創造力」、ソリューション
としての「お金」、これらを総て納得のうえで、このプロジェクトは
進められねばならないはずです。

医者が、金を出すだけつもりで、この構想に参加するのであれば、
今は、止めたほうが無難です。
もちろん、いずれ、ある程度、完成した時点で、それなりの金額で
利用できると思います。

僕は以前、ある日医総研の方(正確に言えば、元日医総研の方に、
バレバレですか)に、昨年末のORCAのプログラムの公開は、時期尚早
だと言ったことがあります。公開せねばならなかった理由も聞きましたが、
正確には覚えていないので、ここには書きません。

しかし、おそらく、今回のような論議を起こすことは、公開された
プログラムを僕がインストールした時に予想できました。

先のメールで、この話題は、つまらないので、もう止めようと思ったの
ですが、”廣瀬先生の悲しい言葉”に、つい手を動かしてしまいました
・・・・・・・・・・・・・・・・・・、オワリ(今度こそ本当に)。

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                   八木高秀
thyagi@xxxxxxxxxxxxxxx / thyagi@xxxxxxxxxxxxxxx
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