[orca-users:03324] ORCA 導入のメリット

[Ichiro Mihara <icchy@xxxxxxxxxxxxxxxx>]

三原＠山形県鶴岡市　です。

himedarumaとのダブルポストです。ご了解下さい。

私のところではＯＲＣＡを1月にインストールし、4月からの本運用を目指してい
るところです。事務員が入力を担当していますが、機能、操作性に関して従来の
レセコンと比し、とくに劣るところはないと申しております。移行に関しては単
なる慣れの問題だけだと思います。

ＯＲＣＡの高邁な理念は皆さん理解しているでしょうし、ホームページなどを
参考にして頂くとして，エンドユーザの視点で私が考えているORCA導入のメリッ
トを列記させていただきます。先の全医協や医療情報担当理事連絡会議などで、
ORCAに対する疑念が多いことに少なからず落胆しているものの1人として、ORCA
普及の応援になればと思います。

ORCA導入のメリット

1．ORCAのデータを自由に活用できる。

従来のメーカー製レセコンとは異なり、患者データを自由に活用することが可能
となります。ORCAの機能だけでも、ある病名の患者リストを表示させたり、ファ
イルとして外部に書き出すことが可能ですが、最近SRLより販売されたツール
（9800円と驚くような値段です）を利用するとORCAのデータを利用して、紹介状
や主治医意見書、訪問看護指示書などの面倒な文書類を簡単に作成できるように
なります。

　DOCTOR'S DESK LIGHT　http://doctorsdesklight.com/

これはまさにORCAのオープンな姿勢によるものであり、従来のレセコンでは不可
能であった部分だと思います。

２．標準化されたデータ

病名、薬剤名、診療行為などに標準化されたコードを用いているので将来にわ
たってデータの活用が期待できます。一方、従来のレセコンはそれぞれが独自の
仕様であったため、そのデータを将来にわたって活用できる保証はありませんで
した。将来性を確保するためには、各自自由につけていた病名をORCAの病名のマ
スタに従って登録しておくなどの対応が必要ですが、そうすることは今後EBMな
どで必要となる解析可能なデータとするには避けて通れないことだと思います。
そのような標準化されたデータを各医療機関がもつことは今後の医療の質的向上
には不可欠なことかと思います。

３．低価格

初期導入価格が従来の1/2〜2/3程度で済みます、診療報酬改正時などにもコスト
負担が生じません。スキルによっては、ハード料金のみでの運用も可能です。

４．われわれの組織である日医の開発

これも安心できる大きなメリットだと思います。営利を目的としない日医が開発
していることの安心感と共にわれわれの要望が反映されることも期待できます。

５．ネットワークの活用

ネットワークを前提にしているシステムですので、点数改正、プログラムの更新
などに迅速に対応できます。また、ORCAの初期画面に緊急医薬情報なども表示さ
れ、日医からの情報伝達ツールとしても活用されています。

６．電子カルテとの連携

電子カルテとの連携を前提に開発されているので、将来的な発展が期待できます。
ORCAにデータを入れておけば、将来電子カルテを導入してもそのデータを取り込
んあるいは連動させることで、無駄な入力をせずに直ぐ使える環境になると思わ
れます。また、今後はORCAとの連携を目指した電子カルテが多数開発されると考
えられます。

７．ウインドウマシンを含む複数のパソコンから同時入力、閲覧可能

LANを組んでおけば、受付においてあるORCAに、診察室のWindowsマシンからアク
セスし、患者情報を閲覧、操作することが可能となります。これは、Windows用
ORCAクライアント（フリーで公開されいる）を利用することで可能となります。
ORCAはLinuxで動いているから難しいという話を良く聞きますが、事務員にとっ
てレセコンのOSは余り関係ありません。むしろ医師がORCAを使いたいときに、
Linuxという言葉が障害になっているように思います。そのような方にはWindows
マシンからORCAを使うという選択肢もあります。画面まわり、操作性など全く
ORCAと同じです。

８．二重化によるバックアップ

従来のレセコンは、MOなどに手動で定期的なバックアップをしていたと思います
が、ORCAでは2台運用を前提とし、二重化という仕組みでリアルタイムにバック
アップを行います。このことにより障害時でも短時間で復旧可能です。
また、日医のサーバのバックアップサーバを利用することで、地震や火災など災
害時でも安心です。

９．ORCAのデータは将来にわたって利用可能

従来のレセコンデータはスペースがないという理由で、何ヵ月後かには消去され
ていました。ORCAではそのようなことがありません。２とも重複しますが、とり
あえず、ORCAにデータを入れておけば、将来電子カルテへの移行やデータ解析に
活用できます。

以上、ORCAは従来のレセコンに比し、さまざまな面で勝っています。劣っている
ところはサポート体制だけではないでしょうか。従って、普及は各地区の医療情
報担当理事らの頑張りにかかっているのだと思います。是非、皆で日本の医療IT
の基盤となるだろうORCAプロジェクトを盛り上げていきたいものです。